ウォレットのUTXO分布
UTXOとは
Cardanoトランザクションの基本的なコンポーネントは、トランザクション出力です。トランザクション出力とはCardanoブロックチェーンに記録された分割不可能なADAの塊です。Cardanoフルノードが追跡する利用可能なすべてのトランザクション出力を未使用トランザクション出力(Unspent Transaction Outputs:UTXO)と呼びます。
DaedalusウォレットでADAを受信するとは、単にそのウォレットが管理する鍵で使用可能なUTXOを、Daedalusが特定したことを意味します。したがってDaedalusに表示されるADA残高は、そのウォレットで使用できるすべてのUTXOの合計額となります。DaedalusはCardanoブロックチェーンをスキャンし、そのウォレットに関連付けられた鍵で使用可能な各UTXOの金額を集計することにより、残高を決定します。つまりADAは、Daedalus本体にではなく、Cardanoブロックチェーン上に保存されていることになります。
UTXOはトランザクションによってすべて一度に消費され、分割することはできません。UTXOがトランザクションに必要な値よりも大きい場合、一旦すべてが消費され、差額分のUTXOが新たに生成されます。例えば、50ADAのUTXOから10ADAのみを送金したい場合、50ADAのUTXO全体を消費して、2つの出力が生成されます。この例では、意図するトランザクションの相手に送金される10ADAの出力、そして自分のDaedalusウォレットに送信される差額分40ADAの出力となります。
UTXOがどのように消費されるかを理解するには、現金で考えるといいでしょう。例えば、10ドルの商品を購入する時に50ドルのお札しか持っていない場合、50ドルのお札で支払い、40ドルの釣銭を受け取るのと似た概念です。
ウォレットのUTXO分布
Daedalusの「ウォレットのUTXO分布」画面では、ウォレット内のUTXO数を、含まれる金額ごとにグラフにすることで、UTXOの分布状況が一目でわかるようになっています。この画面には、メニューアイテム[その他]からアクセスできます。
上記画像のウォレットには、131,000ADA強が21UTXOに分散されています。グラフの各バーの上にマウスを置くと、特定範囲の残高を含むUTXOの数が表示され、DaedalusウォレットにADAがどのように分布されているかがわかります。
トランザクションの失敗
ウォレット内のADAがあまりにも多くのUTXOに分散されている場合、ウォレットのUTXO分布画面を参照すると便利です。この例では、ADAを送金しようとした際に、ADAが不足しています。送金額を減らしてください。のエラーメッセージが表示されています。
この問題を解決するには、多くのUTXOに少額ずつ分散しているADAをトランザクションを作成して統合する必要があります。まず、少額のADAを自分に送信してみてください。また参考までに、ウォレットのUTXO分布画面に移動して、UTXOの分布状況を確認してみましょう。
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