Daedalus 2.0.0 リリースノート
Daedalus 2.0.0
ステークプールランキングや委任関連機能をはじめとするShelley機能をサポートした、史上初のShelleyメインネットウォレット、Daedalus 2.0.0。セキュリティを大幅に向上させた新しいShelley対応ウォレット、各Shelleyウォレットの委任設定やCardanoエポックの概要が表示される委任センター、素早く簡単なウォレットの委任設定を可能にする委任ウィザード、ステークの委任先を情報に基づき選択できるよう高度なランキング機能を備えたステークプール画面をはじめ、分散化の進捗情報も含む多くの機能を搭載しています。
新機能
Shelleyウォレット
このDaedalusバージョンはShelley対応ウォレットをサポートしています。このウォレットはShelley機能をサポートしており、ウォレットのステークをステークプールに委任して報酬を稼ぐことができます。また、基盤とする暗号を強化してウォレットのセキュリティを大幅に向上。セキュリティに関しては、12語であったByronウォレットの復元フレーズをShelleyウォレットでは24語にしてさらに強化しています。Shelleyウォレットは手動によるアドレス生成が不要。また、アドレス生成に送信時パスワードの入力も要求されなくなりました。その上このウォレットには、入金画面に常時20の未使用アドレスが用意されています。
ByronレガシーウォレットはShelley機能をサポートしていないため、レガシーウォレットに保有されている資金はShelley対応ウォレットに移し替える必要があります。Byronウォレットに資金がある場合、資金をShelleyウォレットに移す必要があることがDaedalusに通知されます。新しい移行機能によりすべての資金を移すトランザクションが自動的に作成され、Byronウォレットを実質的に空にします。ただし、未使用トランザクションアウトプットが少額過ぎて移行できない場合、Byronウォレットに少額の資金が残されることがあります。
Shelleyアップグレードカウントダウン
DaedalusのShelley機能が利用可能になるには、Shelleyへのアップグレードが完了する必要があります。Daedalusの専用画面にはShelleyアップグレードへのカウントダウンが表示されます。
分散型への移行
Shelleyユーザーインターフェイスの新しいタブにより、Cardanoが連合型ネットワークから、ステークプールオペレーターのコミュニティにより維持、運営される分散型ネットワークへと移行する進捗状況が示されるようになりました。
委任センター
委任センター機能には、Cardanoの現行エポックの詳細と次のエポック開始までのカウントダウンが表示されます。Cardanoメインネットのエポック継続期間は5日です。
委任設定の変更は、現行エポックと次のエポックの両方が完了すると有効になることに注意してください。
この画面にはまた、Shelleyウォレットの委任設定が表示されます。これには、保留中の委任設定変更情報も含まれ、設定の変更が発効するエポックが表示されます。
ステークプール
ステークプール画面には登録手続きを完了し、プライベート設定になっていないステークプールが表示されます。
ここでは画面になるべく多くのプールを表示するため、小さなタイルを使用しています。各タイルには、ステークプールを識別する短い(最大5文字)ティッカーシンボル、わかりやすく色分けしたランク、そして飽和ゲージが表示されています。
タイルをクリックすると対象となるステークプールの詳細情報が表示されます。
この画面の最も重要な機能はステークプールランキングです。ランキングは、どのプールが委任により最大投資率を生み出すかを計算するユーティリティ機能とゲーム理論研究に基づいています。これにより、ステークプールの選択プロセスが大幅に簡易化されます。
注:この機能は参考目的のみとなります。 ユーザーは、ステークプールとその関連するリスクに関して、常に独自の調査および査定に基づき判断してください。
ステークプールのランキングには、委任される予定のステーク量も考慮されます。これは、各プールの飽和度により見込み報酬額が左右されるためです。ステークの量はユーザーインターフェイスに表示されるウォレットのリストから選択するか、全Shelleyウォレットのステーク合計、またはスライダーを使用して任意の量を選ぶことができます。委任を予定するステーク量の値は最低10ADAから1つの空プールの飽和ポイントまでとなります。1つのプールの飽和ポイントはシステム内のステーク総量を、ネットワーク内でブロック生成を行う望ましいプール数で割った値です。Cardanoメインネットでは、望ましいプール数は最初150で、ネットワークの成長、成熟に伴い増加していきます。ステーク総量はおよそ300億ADAであるため、1プールの飽和ポイントはおよそ2億ADAとなります。ステークプールリスト更新の際は、予定される委任ステーク量の変更に応じて変化した部分がアニメーションで強調されます。
報酬
報酬画面にはウォレットごとに獲得した報酬の概要が表示されます。この画面では、情報をスプレッドシート形式でダウンロードすることもできます。
委任ウィザード
委任ウィザードは、委任センターから、またはステークプールの詳細画面から起動することができます。ウィザードを使うと、ユーザーはガイドに従ってウォレットとステークプールを選択し、選択した委任先の最終確認を行うことができます。
ByronレガシーウォレットであるLedgerおよびTrezorハードウェアウォレットの復元
DaedalusはLedgerおよびTrezorハードウェアウォレットの復元をサポートしています。ただし、これは、ハードウェアウォレットをDaedalusで使用可能にするためのフルサポートではありません。現在、サポート対象となるのはハードウェアウォレットの復元のみです。ユーザーはハードウェアウォレット復元フレーズを使用して、Daedalusにハードウェアウォレットを再現します。
この機能は、十分なハードウェアウォレットの使用経験を持つユーザーのみが、自己の責任において、十分に注意して使用してください。ハードウェアウォレットの復元フレーズをソフトウェアアプリケーションに入力することは推奨されません。オフラインの安全な場所に保管してください。
この機能は、Yoroi、AdaLite、または別のウォレットソフトウェアにShelleyハードウェアウォレットのサポートが実装される前に、LedgerまたはTrezorハードウェアウォレットにADAを保有するユーザーが、その資金にアクセスする必要がある場合を想定して開発されました。
復元のサポート対象となるのはByronレガシーウォレットのみです。Byronレガシーウォレットを復元したら、委任や報酬獲得に使用できるShelleyウォレットに資金を移してください。Shelleyウォレットに資金を移したら、ハードウェアウォレットデバイスから復元したウォレットは、安全のため削除してください。これにより、ハードウェアウォレットデバイスに紐付けられている秘密鍵がDaedalusに保管されている期間を短期間に限定することができます。
既知の問題
ウォレットインポート機能の無効化
Daedalus旧バージョンやDaedalusステータスディレクトリーからウォレットをインポートするウォレットインポート機能はこのバージョンでは無効化されています。この機能は、今後の更新で再び有効化されます。
Linux旧バージョンのログのダウンロード
Linuxの旧バージョンのログをダウンロードすると、Daedalusがクラッシュする原因となります。